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コーチ

トレーナーの勉強をしています。僕は野球のダイビングキャッチの時に、肩を脱臼して手術してから2ヶ月くらい経つのですが、プレーに復帰するにあたって、なかなか恐怖心が抜けないので飛び込めません。トレーナーの立場からすると、選手にどういうアドバイスをしたり精神面でサポートすればようですか??また、自分自身ではどういう風に練習するべきですか?例えば、自信をつける練習をするなどあれば教えていただきたいです。
ケガをすると、ケガが回復しても気持ちの中でブレーキがかかり、前と同じように飛び込めない、同じにスムーズにプレーできない状態はよく報告されることです。これを「パフォーマンス恐怖症」と言います。日本では、ゴルフでよく使う「イップス」と同じような現象だと思います。

スポーツ心理学的には、よく扱うケースなのですが、専門家が注意深く対処した方がよいケースもありますし、重くなると精神科の医師にカウンセリングを頼むことになることもあります。今回は、メンタルトレーニングと違うケースからこの問題を取り上げてみたいと思います。

まず、松井秀喜(大リーグヤンキーズ)の書いた本「不動心」(新潮新書)を読んで欲しいと思います。彼がケガをして、そのときの気持ち、ケガのリハビリ、パフォーマンス恐怖症にかからずにすんだ考え方、今後の野球人生にこのケガをどう生かすかというポジティブな考え(プラス思考)が書いてあります。この本の松井選手の考えかたが、まさにメンタルトレーニングで指導する内容と全く同じなのです。

簡単に言えば、 「成功してきた人々は、才能だけでなく、失敗を乗り越える力があるのだと思います」、「 逆況に強い人間になりたいと願っています」「今自分が成すべきことは何なのかを正確に受け入れ、それを補う努力をしていくしかないと思っています」「マイナスをどうプラスにしていくか」「メンタルな面での自己コントロール法を紹介したい」「あせり、つらさ、苦しみなどの心の痛みがあった」「今回の骨折は、松井秀喜という未熟者を厳しく鍛えてくれました」「医師からも、自分も完治したと思っていますが、意識の奥底にある恐怖心まで消しているかわかりません」「以前と同じように動かないなら、工夫して練習して、骨折する前よりすごいバッターになればいい」「現役を引退するとき、あのとき骨折してよかったなあと語りかけてやりたい。そう言える日がくるかは、これからの自分にかかっている」「あのとき、骨折していなければと振り返る野球人生だけは送りたくない」

という松井選手の言葉が示すように、プラス思考・気持ちの切り替え・目標設定・自分のできることに意識を集中する・イメージなどの心理的スキルやテクニックがふんだんに使われている内容なのです。これは、心理的スキルをメンタルトレーニングを理解していればこそでてくる言葉ではないかと感じています。

つまり、このような考え方をすればいい。このような考え方にするのがメンタルトレーニングだということです。

ここで話の方向を変えますが、

私たちが心理的にサポートする場合、

1)詳しく経緯を聞く
2)なぜそうなったかの思い当たることや原因を本人に聞く・書かせる
3)メンタルトレーニングとはこういうものですという説明や意図・目的を紹介する
4)心理的スキルを紹介・指導する・体験する
5)この心理的スキルをこう使えば、こうのような効果があるという理解・またはトレーニングをしてもらい
6)パフォーマンス恐怖症に対する原因や経過に関する部部での心理的スキルの応用や活用をしてもらう

などでとどめておくのがと、最近考えています。

過去には、多くのパフォーマンス恐怖症・イップスの選手のサポートをしてきたのですが、あまり軽々しくこうすればいいとか言わないほうがいいのではないかと考えるようになりました。たしかに、これをこうすればこうなるという経験的な方法、心理的スキルをこう活用すればいいなどの方法はありますが、このようなHPで相談者の情報が少ない状態で説明することを少し避けたいと思うようになりました。つまり、専門家の役割や立場を理解することが社会的に求められるなってきたと考えています。

ただ私たちが心理的サポートやメンタルトレーニングを指導することは、、ケガをしてもパフォーマンス恐怖症にならないように準備しておくという点、メンタル面強化をしておけばかかっても軽くてすむという点があります。メンタルトレーニングの専門家は、競技力向上が専門なので、向上も目的とした指導やサポートはするものの、「治す・治療する」という行為はしないことが原則です。そのために、このような事例がありましたので、このように考えたり、このようなことをして、ある選手はこうなりましたという紹介でとどめておくべきだと考えています。ただ。資格保持者でパフォーマンス恐怖症の専門的な研修を受けた精神家の医師(カウンセラー)ならばと思うのですが、日本には専門家はあまりいないように感じます。

最近は、自称専門家の方が「イップスをすぐに治す・治した」などと言われていたということをお聞きしました。専門家であれば、このへんのことは非常に気をつけなければならないことですし、医学・心理学・スポーツ心理学の教育的背景や資格問題まで考えて行うべきことだと考えています。

今回の相談者(質問)の方には、申し訳ないと思いますが、つまらないことを書きました。

相談者にとっては、こうしてこうすればいい(治る)と言って欲しいと思いますが、いろいろな背景があり、申し訳ありません。



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