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最近のアミノ酸事情:分岐鎖アミノ酸(BCAA)の効果のメカニズム
 夏の暑い日に冷たいものを飲もうと自動販売機をのぞくと、最近では必ずといっていいほどアミノ酸飲料が入っています。缶コーヒーを買おうとして、ついアミノ酸飲料の方に手が行ってしまうこともよくあります。アミノ酸サプリメントには飲料以外にもさまざまなタイプのものがありますが、市販されているものの多くは、分岐鎖アミノ酸(Branched-chain amino acids: BCAA)を主要成分としています。近年、この分岐鎖アミノ酸の効果についての研究が進んできていますので、今回はこの点についてご紹介します。
【分岐鎖アミノ酸(BCAA)とは】
 私たちの身体を構成するタンパク質は、20種類のアミノ酸が多数つながってできています。この20種類のアミノ酸の中には、アミノ酸分子の骨格をつくる炭素鎖が二股に枝分かれしているものがあり、これを分岐鎖アミノ酸(BCAA)といいます。ロイシン、イソロイシン、バリンの三つがこれに属します。これらはいずれも、体内で合成することができない「必須アミノ酸」であり、栄養素として外部から摂取する必要があります。筋肉を構成するタンパク質(筋タンパク質)には特にこのBCAAが多く含まれており、総アミノ酸量の約35%を占めるとされています。

【BCAAは筋疲労を軽減する】
 私たちの研究グループは、BCAA が特に筋タンパク質に多く含まれていることに着目し、10年余り前に、ある食品メーカーと共同研究を行いました。そのときの仮説は、「筋タンパク質が分解されると、まずBCAAが分解産物として生成されるはずであるから、予め外部からBCAAを摂取しておけば、激しい筋運動後の筋の分解が低減されるのではないか」ということでした。実際、筋の微小損傷を引き起こすような高強度のエキセントリック運動後の筋力低下(筋疲労)も、筋力の回復速度もBCAAの摂取によって改善されることが実証されました。この研究が論文になったのは4年前ですが(Sugitaら、2002)、おそらく現在のブームの火種となったものと思います。さらに最近では、筋運動後の遅発性筋痛(いわゆる筋肉痛)も、BCAAの摂取によって緩和されることが示されています(Shimomuraら、2006)。

【軽度の運動でも筋タンパク質は分解される】
 上の研究は、遅発性筋痛を生じるような激しい筋運動を対象としていますが、筋タンパク質の分解は、こうした激しい運動後に限って起こることではありません。筋の内部では、絶えずタンパク質の分解と合成が起こっていて、特に運動時や飢餓時など、エネルギー需要が高まったときには分解が亢進します。BCAAの分解の第一段階には、モBCKDHモという酵素がはたらきますが、運動を行うと、この酵素の活性が高まり、BCAAの分解が促進されることも明らかになってきています。水野ら(2006)は最近、低強度の自転車漕ぎを20分×3セット行ったときの筋タンパク質の分解を測定し、実際に分解亢進が起こること、特に高齢者ではその程度が著しいことを報告しています。さらに、運動開始10分後にBCAAを摂取すると、若齢者、高齢者のいずれのグループでも、筋タンパク質分解が有意に抑制されたということです。この研究は、ジョギングやウオーキングのような低強度の持久的運動によっても筋タンパク質の分解が高まり、適度なタイミングでBCAAを摂取することがそれを抑制することを示している点で重要です。

【筋タンパク質の合成を促すBCAA】
 一方、BCAAが筋におけるタンパク質合成や糖の代謝を調節するはたらきをもつことも明らかになりつつあります。BCAAのうちのロイシンは、遺伝子DNAの情報を写し取ったmRNAから最終的にタンパク質が合成される段階(翻訳過程)にはたらき、タンパク質合成を促進すると考えられています。さらに、ロイシンとイソロイシンはともに、筋によるグルコースの取り込みを促すこともわかってきました。こうしたことから、BCAAはインスリンと同様の作用をもつと考えられるようになってきています。筋タンパク質が分解されたときに生成されるBCAAが、筋により多くのグルコースを取り込ませることでタンパク質以外のエネルギー源を確保させ、同時に筋タンパク質の合成を促して筋の機能低下を防ぐという、「保護機構」が内在していると解釈できるでしょう。

【メタボリックシンドロームにも効果?】
 このように、BCAAがインスリン様のはたらきをもつこと、さらにその作用が骨格筋に内在すること、の2点は、メタボリックシンドロームの改善のためにもきわめて有用であることを示唆しています。インスリンは、筋のタンパク質合成高め、多くの器官にはたらいてグルコースの取り込みを促し血糖を下げます。しかし、インスリンは脂肪細胞による糖の取り込みも促進するため、結果的に体脂肪の合成も促してしまいます。一方、BCAAは筋でのみ強い作用を発揮しますので、筋量の増加、体脂肪の減少、血糖の低下にはより好都合といえます。LaymanとWalker(2006)によれば、高タンパク(体重1kg当たり1.5g以上)、低糖質(1日150g以下)食が、糖尿病やメタボリックシンドロームを効果的に改善しますが、こうした効果にはおそらく、高タンパク食に含まれるBCAAが重要な役割を担っていると考えられます。



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