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パワーとスピードのためのインナーマッスルについて(2)

一方インナーマッスルは、関節に対して近い位置に付着しており、アウターマッスルに比べ大きなパワーを発揮することは出来ないのですが、回旋系の動きに対して大切な働きを行ってくれます。また、関節の中で、骨と骨との結びつきを支え、安定させるためのスタビライゼーションの役目も担っており、このスタビライゼーションの力が弱いと、アウターマッスルが発揮するパワーを支えきれずに、関節やインナーマッスル自身を痛めたりしてしまいます。しかし、このインナーマッスルは、身体の深層に存在しているために、随意に意識するのが難しく、日ごろの動作の中では、脳の支配下の中で、いわば無意識的に稼動してします。インナーマッスルを使いこなすには、これまでの動作習慣とは違う、教育的な動作トレーニングが必要とされます。

ここで野球の動作を見てみると、ボールを投げる時の肩や肘関節の動き、バッティングの時の股関節や脊柱の動き、その他あらゆる動作の中に関節を回旋させる動きが見られます。つまり、直線的な関節の動きよりも、回旋系の関節の動きのほうが、より重要な動きだということも出来るのではないでしょうか。

ボールを投げる際には、コッキングアップの段階から、肩関節や肘関節・手関節部の回旋運動が発生し、この回旋運動によって、インナーマッスルは捻られる結果となります。リリース時にこの捻られたインナーマッスルが捻り戻されることによって、アウターマッスルが発揮する直線的大パワーに、回旋するらせん運動のパワーがプラスされ、ボールの回転にキレを生むのです。

もちろん、上肢だけではなく下肢・体幹部においても、このらせん運動のパワーが、各インナーマッスルの働きによって生み出され、それがアウターマッスルのパワーと協調し、時速150kmのボールを投げることを可能にするわけです。

つまり、回旋系の動きをコントロールする、インナーマッスルの働きが正しく行われた上で、アウターマッスルの大きなパワーが生きてくるのです。これを軽視して、アウターマッスルの筋力のみを優先的に強化していくと、パワーはあるが故障の多い身体になったり、動作の最終的なキレを欠いてしまうことになりかねません。結局、技術を生かすためのパワーが、技術を殺してしまうパワーになる可能性があるのです。

ただし、インナーマッスルだけを専門的に強化しても、アウターマッスルとの協調性が無ければ正しく使うことは出来ません。インナーマッスルを正しく使い、アウターマッスルの大きなパワーを効果的に使っていくには、インナーマッスルが有効的に使える身体にしていかなくてはなりません。インナーマッスルは、身体中の関節部位に存在しています。野球の効果的動作を考えた時、身体の中心から、股関節や肩関節の近位関節、そして肘や膝、それから手先・足先へと加速されていく動作が適切です。であれば、身体の中心である胴体の部分のインナーマッスルも忘れてはなりません。


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